兵庫県香美町にある日本の滝百選「猿尾滝」について、その正しい読み方から、二段の滝がもつ独特の魅力や歴史、そして具体的なアクセス・行き方まで、詳しく知りたいと思っていませんか。アクセスの良さから生まれる口コミでの高評価の理由や、無料駐車場の有無、駐車場からの所要時間が気になっている方もいるでしょう。この記事では、滝壺まで続く遊歩道の様子、紅葉が美しい季節の情報、そして隠れたパワースポットとしての側面まで、猿尾滝の全てを網羅的に解説します。周辺のキャンプ場情報や、現地の様子がわかるライブカメラの有無についても触れていきますので、お出かけ前の情報収集にぜひお役立てください。
- 猿尾滝の二段の滝が持つ特徴やパワースポットとしての魅力
- 四季折々の見どころと特におすすめの紅葉シーズン
- 無料駐車場からの詳しいアクセス方法と散策の所要時間
- 江戸時代の歴史や逸話、そして現在のイベント情報
猿尾滝の概要とパワースポットとしての魅力
- 猿尾滝の正しい読み方
- 二段の滝がもつ独特の魅力
- 藩主も楽しんだそうめん流しの歴史
- 岩に見える観音様は必見のパワースポット
- 四季の中でも特に美しい秋の紅葉
猿尾滝の正しい読み方
猿尾滝の正しい読み方は「さるおだき」です。豊かな自然で知られる兵庫県北部の但馬(たじま)地方、美方郡香美町(みかたぐんかみちょう)の村岡区日影に位置しています。この一帯は氷ノ山後山那岐山国定公園に指定されており、手つかずの原生林が広がる自然の宝庫です。
その名前の由来は非常にユニークで、滝が二段に分かれているうちの下段の流れが、まるで猿の尻尾の形にそっくりであることから名付けられたと伝えられています。自然が偶然生み出した造形美が、そのまま土地の呼び名として定着した、興味深い事例と言えるでしょう。また、猿尾滝は昭和43年(1968年)3月29日に兵庫県の指定文化財(名勝)にもなっており、その景観の美しさは公式にも認められています。
名前の由来を確かめてみよう
下段の滝が岩肌を滑るようにしなやかに流れ落ちる様子が、フサフサとした猿の尾を想起させることが名前の起源です。訪れた際には、ぜひ少し離れた場所から滝の全体像を眺め、そのユニークな形状をご自身の目で確認してみてください。
二段の滝がもつ独特の魅力
猿尾滝が多くの人々を惹きつけてやまない最大の魅力は、上下二段に分かれ、それぞれが全く異なる表情を見せる段瀑(だんばく)であるという点にあります。滝全体の総落差は約60mにも達し、一つの場所で豪快さと優美さという対照的な美を同時に味わえる、全国的にも非常に珍しい構造をしています。
この比類なき景観は高く評価されており、平成2年(1990年)には当時の環境庁(現・環境省)によって選定された「日本の滝百選」の一つに名を連ねました。さらに、地元では古くから「但馬三名瀑」の一つとして、天滝(てんだき)、霧ヶ滝(きりがたき)と並び称されてきました。
上段の滝「雄滝(おだき)」
上段部分は落差39mを誇り、その勇壮な姿から別名「雄滝」と呼ばれています。ゴツゴツとした荒々しい岩肌に激しく水がぶつかり、轟音と共に一気に流れ落ちる様は、まさに男性的で圧倒的な迫力に満ちています。滝壺の近くでは、その水しぶきと音の大きさに自然の力の偉大さを肌で感じることができるでしょう。
下段の滝「雌滝(めだき)」
一方、下段部分は落差21mで、「雌滝」と名付けられています。雄滝とは実に対照的で、岩の割れ目から水が絹糸のように滑らかに、そして優雅に流れ落ちていきます。その姿は女性的で繊細な美しさを湛えており、見る人の心を穏やかにしてくれます。猿尾滝という名前の由来となった猿の尾に見えるのは、こちらの雌滝です。
雄滝と雌滝が織りなす調和
力強く、荘厳な自然のエネルギーを感じさせる「雄滝」と、優美でしなやかな癒やしを与えてくれる「雌滝」。この二つの異なる個性が、一つの滝として完璧な調和を生み出している点こそ、猿尾滝が多くの人々を魅了し続ける最大の理由なのです。
藩主も楽しんだそうめん流しの歴史
猿尾滝は単なる美しい景勝地というだけでなく、古くから地域の人々に親しまれ、利用されてきた豊かな歴史を持っています。特に江戸時代、この地を治めていた村岡藩(一万一千石)の藩主であった山名氏が、この滝をこよなく愛したと伝えられています。
夏の暑い日には、山名公が家臣たちを引き連れてこの滝を訪れ、涼やかな滝の音を聞きながら「そうめん流し」に興じたという風流な逸話が今なお残っています。この歴史的なエピソードは、当時から猿尾滝が人々の憩いの場であったことを物語っています。
この逸話にちなんで、かつては毎年7月の第2日曜日になると「猿尾滝まつり(通称:お滝さんまつり)」が盛大に開催されていました。祭りでは、長い竹を組んで滝の清流を引き込み、遊歩道沿いに見事な「流しそうめん」のレーンが設置され、多くの家族連れや観光客で大変な賑わいを見せていたそうです。
「猿尾滝まつり」の開催状況について
残念なことに、この地域の名物イベントであった「猿尾滝まつり」は、コロナ禍での中止をきっかけに、その後の諸事情も重なり、現在、再開の予定は立っていません。訪れる際は、このイベントが現在行われていない点にご注意ください。
岩に見える観音様は必見のパワースポット
猿尾滝は、美しい自然景観だけでなく、知る人ぞ知る強力なパワースポットとしても厚い信仰を集めています。その最大の理由は、滝の流れの中に、自然が長い年月をかけて偶然作り出した神秘的な岩の姿を拝むことができる点にあります。
特に下段の滝壺の近くから滝の中ほどを見上げると、慈愛に満ちた表情の観音様や仏様、さらには聖母マリア像に見える岩が存在すると言われています。これらの神秘的な造形は、情報誌の読者投票で「新・但馬の七不思議」自然部門の第2位に選ばれたほどで、見る人の心の状態によって、髪を洗う女性や岩ザルなど、様々な姿に見えるとも言われています。
地元の方々の間では「猿尾滝に足繁く通い、拝み続けたところ、医者にかかっても良くならなかった体の不調が治った」「地域の行事がある際に、雨がやむように滝に向かって祈ると、不思議と天気が回復することが多い」といった、科学では説明できないような話がいくつも伝えられています。自然への畏敬の念が、今もなお人々の暮らしの中に根付いている証拠かもしれません。
滝壺の周辺は、心地よい水しぶきによって大量のマイナスイオンが発生しており、心身ともにリフレッシュするには最適な空間です。また、気象条件が揃った晴れた日の午後2時頃には、上段の滝壺に鮮やかな虹がかかると評判にもなっており、この奇跡的な光景を一目見ようと多くのカメラマンや観光客が訪れます。
四季の中でも特に美しい秋の紅葉
猿尾滝は、ブナやカエデなどの落葉樹が多く自生する原生林に囲まれているため、一年を通して四季折々の素晴らしい表情を見せてくれます。どの季節に訪れてもそれぞれの魅力がありますが、中でも最も多くの観光客で賑わうのが燃えるような紅葉のシーズンです。
季節 | 見どころと特徴 |
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春 | 厳しい冬を越えた木々が一斉に芽吹き、目に鮮やかな新緑が滝の純白さを際立たせます。生命の息吹を感じられる季節です。 |
夏 | 深く濃い緑の木々と、滝から発生する天然のミストが涼を運び、絶好の避暑地となります。下流の平らな岩盤は「岩盤すべり」として、子供たちの格好の水遊び場になります。 |
秋 | 10月下旬から11月中旬にかけて、周囲の木々が赤や黄色に鮮やかに色づき、白い滝の流れとのコントラストはまさに絶景です。多くの写真愛好家がこの景色を求めて訪れます。 |
冬 | 気温が氷点下まで下がると、流れる滝がそのまま凍りつき、巨大な氷の彫刻のような「氷滝」と化します。静寂に包まれた、他にはない幻想的な光景が広がりますが、積雪時のアクセスには冬用タイヤが必須です。 |
猿尾滝へのアクセスと散策ガイド
- 猿尾滝へのアクセス・行き方
- 滝の目の前にある無料駐車場
- 駐車場からの所要時間と道のり
- 滝壺まで続く歩きやすい遊歩道
- まとめ:猿尾滝で心癒される時間を
猿尾滝へのアクセス・行き方
猿尾滝は、「日本の滝百選」に選ばれている滝の中では、比較的アクセスが容易なことで知られています。主な交通手段は自家用車となりますが、公共交通機関でも訪れることが可能です。
近年、近くに笠波トンネルが開通したことで、国道9号線からのアクセスがさらにスムーズになり、ドライブの途中に気軽に立ち寄れる景勝地となりました。(参照:香美町公式サイト 観光情報)
アクセス方法(住所:兵庫県美方郡香美町村岡区日影) | |
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車でのアクセス | 北近畿豊岡自動車道「八鹿氷ノ山IC」から国道9号線を鳥取方面へ進み、約30分。案内看板が整備されているため、それに従って進めば迷うことは少ないでしょう。 |
公共交通機関 | JR山陰本線「八鹿駅」が最寄り駅です。駅からは全但(ぜんたん)バスの村岡・秋岡方面行き、または湯村温泉行きに乗車し、「日影」バス停で下車。バス停から滝までは徒歩で約15分です。ただし、バスの運行本数は非常に少ないため、事前に全但バス公式サイトで時刻表を必ず確認してください。 |
滝の目の前にある無料駐車場
猿尾滝には、観光客にとって非常に利便性の高い無料の駐車場が完備されています。乗用車であれば数十台は停められる十分なスペースが確保されており、駐車場所に困ることはほとんどありません。
駐車場には清潔な公衆トイレも設置されています。また、駐車場から滝へ向かう遊歩道の入り口付近には「猿尾茶屋」という小さな売店兼休憩所があり、春から秋にかけての週末を中心に営業しています。地元の特産品や飲み物が販売されており、散策後の一休みに最適です。ただし、平日は閉まっていることが多いのでご注意ください。
駐車場からの所要時間と道のり
猿尾滝が多くのメディアで「行きやすい滝」として紹介される最大の理由は、駐車場から滝壺までの圧倒的な近さにあります。健脚な方であれば、駐車場から歩き始めてわずか3分ほどで下段の滝(雌滝)の目の前に到着します。ゆっくり歩いても5分とかからないでしょう。
迫力満点の上段の滝(雄滝)へは、下段の滝の脇にある分岐点から遊歩道をさらに登っていきます。こちらへは追加で約5分ほどかかりますが、道のりの様子が少し異なります。
上段の滝へ向かう際の服装と注意点
下段から上段の滝へと続く道は、勾配の急な階段になっています。雨の後などは特に足元が滑りやすくなるため、ヒールやサンダルは避け、必ずスニーカーなど歩きやすい靴で訪れるようにしてください。体力に自信のない方や、小さなお子様をお連れの場合は、無理をせずに下段の滝からの眺めを楽しむことを強くおすすめします。
滝壺まで続く歩きやすい遊歩道
駐車場から下段の滝壺までの道は、全面的に舗装された歩きやすい遊歩道としてきれいに整備されています。そのため、特別な装備は必要なく、スニーカーなどの普段着のままで気軽に森林浴と滝の観賞を楽しむことが可能です。
下段までの道のりは高低差もほとんどなく、ベビーカーや車椅子でも(介助があれば)進むことができます。遊歩道は渓流に沿って設けられており、心地よい川のせせらぎや鳥のさえずりを聞きながら、心穏やかに散策できるでしょう。
専門ガイドによる案内で、より深い魅力を発見!
猿尾滝の歴史や自然について、より深く知りたいという方には、有料のボランティア観光ガイドを予約するのもおすすめです(ガイド1名につき2,000円、事前予約制)。ガイドブックには載っていない自然の石仏の場所や、マイナスイオンの健康効果など、専門的な解説を聞きながら散策することで、滝の魅力が何倍にも深まるはずです。ご希望の場合は、香美町村岡観光協会(電話:0796-94-0123)までお問い合わせください。
猿尾滝の情報
住所 | 〒667-1337 兵庫県美方郡香美町村岡区日影 |
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お問い合わせ電話番号 | 0796-36-1111 |
駐車場 | 有り |
滝の落差 | 60m |
滝の幅 | m |
滝の標高 | 400m |
滝の形態 | 段瀑 |
滝までの時間 | 駐車場から3分 |
徒歩での経路 | 沢の護岸上を歩いて登る |
アクセス | 養父から国道9号線 |
猿尾滝の概要
猿尾滝は、上段と下段2段になっている滝ですが、見た目1つに見えます。
流れは細く、少し離れると1本の線のように見えます。
これがサルの尻尾のようだと猿尾と名付けられたようです。
日本の滝100選に選ばれる名瀑で、周りを木々に囲まれているため、秋には紅葉に囲まれ、春は新緑に囲まれます。
猿尾滝の周辺地図
周辺地図詳細地図
猿尾滝の景色をストリートビューで見てみる
まとめ:猿尾滝で心癒される時間を
最後に、この記事で解説した猿尾滝のポイントをリストでまとめます。
- 猿尾滝の読み方は「さるおだき」
- 兵庫県美方郡香美町に位置する
- 日本の滝百選および但馬三名瀑の一つ
- 落差60mの上下二段に分かれた段瀑
- 上段は力強い「雄滝」(落差39m)
- 下段は優美な「雌滝」(落差21m)
- 名前の由来は下段が猿の尾に似ているから
- 観音様やマリア像に見える岩があるパワースポット
- 江戸時代に藩主がそうめん流しを楽しんだ歴史がある
- かつて開催されていた「猿尾滝まつり」は現在休止中
- 四季折々の景観が楽しめ、特に秋の紅葉が美しい
- 冬には滝が凍る「氷滝」が見られる
- 無料の駐車場が完備されている
- 駐車場から滝壺までは徒歩わずか3分から5分
- 滝へ続く道は舗装された歩きやすい遊歩道
滝までの国土地理院の地図
猿尾滝までの徒歩での険しさ

(登行経路の断面図)
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